新春山口教授セミナー「withコロナ時代のビジネス」

2021年1/27(水)、毎年恒例となった関東グラビア協同組合青年部の新春山口教授セミナーが開催されました。今回は新型コロナウィルスの感染防止対策として、WEBでのオンラインセミナーの形式にて実施いたしました。新型コロナウイルスという脅威にさらされ、このような状況下でどう変化に対応していくのか、「withコロナ時代のビジネス」についてご講義していただきました。

開催の挨拶

 昨年1年間はコロナウイルスの話題一色であり、今年の新年挨拶も電話や少人数と形態が様変わりしてきた。我々の業界も食品パッケージを中心に安定していると言われてきたが今まで通りとはいかない状況にある。そのような状況に対応し、我々の行動を変えるためにも今回のセミナーのテーマである「withコロナ時代のビジネス」について学び、持ち帰っていただきたいとの旨、阿部部長から挨拶がありました。

セミナー内容

 中小企業経営だけでなく自分の生き方を考える上でも3つの力(読む力、問う力、つなぐ力)がコロナウイルスの影響でますます重要性を増している。

景気を読む

今年の前半は景気停滞すると予想される。昨年の緊急事態宣言に比べ人出減少幅が7割程度に留まっても、外食、鉄道、空運は赤字幅が4割増える可能性がある。また、今回の緊急事態宣言の締め方が緩いので、長期化する可能性もある。そうなると経済が委縮ムードになり、オリンピックの開催も危ぶまれる。そこで例えばオリンピックの中止によりホテルを建てるための多額のお金を融資した銀行は不良債権となり、大きな損出となるので中小企業に対する融資も締めることに繋がる。また、名古屋駅前の再開発が止まる可能性。東京都副知事の名前で未着手、未発注、一時停止が可能な事業は原則延期または中止の方針が出ている。建設業界の落ち込みが予想されることや昨今の半導体不足で製造業への影響が半年くらい続くことが見込まれるだろう。日経新聞の有力エコノミスト10人を集計して平均化したデータによると、GDPは今年6月まで横ばいで推移するだろうと予測している。

  日銀が発表した3つのシナリオによると、多くの予測機関の平均値としたベースラインシナリオでは2019年10~12月を100とすると、2022年の終わりになっても100に戻らない。但し、昨年10月に発表されたものであり、昨今の状況で景気停滞が続くと日銀がうまくいかない場合と想定した鈍化シナリオに限りなく近づいている。その後2021年4月は回復圧力が強くなりベースラインシナリオに近づいてくることが予測される。なぜかというとワクチン効果で安心感が出て見通しが明るくなる。そうなると投資機運が高くなり回復の兆しが見えてくると思われる。停滞感がなくなるのは今年の夏くらい。但し、ワクチン接種の広がりが止まってしまうと事態は大きく悪化する。

2021年どういう年か

 『ビジネス環境が本格的に変化する年』となる。一つ目に脱炭素社会。これに中小企業は付き合っていかなくてはいけない。日本は2035年までに新車販売を電動車100%にする針を固めた。EV車になるとガソリン車に比べて部品の数が4割くらい少なくなる。それに伴い下請け企業が縮小化。これから十数年にかけて製造業に変化が生じる。また、EV化は従来のメーカーと異なる企業が参入してくる。中国の百度、アメリカのアップル、日本のソニーなど。そのようになると現在の家電のように車のディスカウント化やカスタマイズ化が始まる。そこで日本の中核である車産業が変化すると他の産業も脱炭素、環境に対して努力することが当たり前となる。SDGsに向けて自分のところはどのような対応しているか表明するような会社でなくてはならない。

 二つ目にデジタル化。一番デジタル化が遅れていた行政がデジタル庁を新設。現在既に富山市が町全体化をデータ化しスマートシティ化していく動きを行っている。そこでは人の動きや車の動きをデータ化し、その情報を地元の企業に流している。そのデータをもらった上でどういう商売をしていくか。デジタル化が進む企業は業績が伸びていくと予想され、つまりデータを活用していけるかどうかで企業間格差が生まれていく。

 三つ目に労働市場の変化。日本従来のメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用の採用が大企業で広まっており、これからは中小企業に広まってくる。また、最近は副業が増えており大手銀行でも週休3日制となり副業を推奨されている。その大企業人材は副業サイトに登録しており、新しい仕事をしたい中小企業からニーズがある。そして新しい人材を使いこなすことによって様々な提案をすることができ、ソリューション型のビジネスが可能となる。

 脱炭素社会、デジタル化、労働市場の変化。この『3つの変化』のスタートに立つのが今年である。

withコロナ時代のビジネスについて

日銀は景気停滞の場合銀行の22年国内貸出金は前年比で減少すると予測。そこで銀行が企業に対して貸出をするか判断するにあたり、『3つの変化』に対応できているか。そしてもう一つ、コロナに対応する『新しい売上』を作り出しているかが試されている。

コロナ禍でビジネス形態が変化しており、顧客は今までの対面式営業からネットで情報を取ろうとしている。人間関係は希薄化するかもしれないが、ネットをうまく活用すれば新しいビジネスの構築が可能である。自分の会社がどのような強みがあるのかネット上で提案するため再分析し見える化、そして見せ方を変えることが必要。また、自分の会社の何が魅力が他から見ると違っていることにも触れ、第三者が見ると自分の会社は何が魅力なのか捉え直すことが必要。真の主張、キーワードにてホームページに掲載することが大事である。

 ビジネス形態の変化と同時に同時に生活形態の変化、社会形態の変化が起こっており、そういう大きな変化が必ず新しいビジネスチャンスを作り出している。コロナの向こう側で起きる変化を感じ取り、会社の在り様に活かしてほしい。

セミナーを通じて

 講義冒頭でお話がありましたが、3つの力(読む力、問う力、つなぐ力)がコロナウイルスの影響でますます重要性を増していると感じました。多くの『変化』が求められている今、景気を読み、再分析し、ネットをうまく活用してビジネスにつなげていくことがwithコロナ時代において重要と意識付けられた内容でした。青年部としても新しい時代の変化に対応し、積極的にデジタル化を進めていきたいと思っております。最後になりますが、この度はご多忙の中ご講義下さいました山口名誉教授に心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

報告者:関東グラビア協同組合青年部 大日精化工業㈱ 吉田 晋也

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